農園-sps、農園-mtfs【香川県・観音寺市、野菜】

ご自身と農園-spsについて教えてください

私自身は4人兄弟の末っ子で、勉強は嫌いでした。部活動は中学の時に陸上、高校では剣道をしていました。当時は貧しい農家ながら、上の兄弟は浪人しながら芸大に行ったり、姉は国立の大学に行ったりして、お金をかけていたので、すぐに就農した自分は一番の親孝行をしたなと思っています。

代々約400年ほど続く農家ですが、自分が継いだころは、家族経営で野菜を作っていました。その頃は、作ったらなんでもよく売れていましたが、とにかく労働時間が長くて休みがありませんでした。家族だけでは限界があったので、人を雇うために25年前に会社を立ち上げました。
今は従業員は15人います。5名は地元から10名は県外から就職した人です。15年ほど前からインドネシアの研修生を受け入れていて、来年からはミャンマーの研修生の受け入れも始まります。研修生の心のケアを大事にしていますし、従業員には効率よく仕事をしてもらうために、有給休暇をしっかり使うように周知しています。

どのような時にお仕事でやりがいを感じますか

美味しくて安全なものを作って、喜んでもらうのは嬉しいです。また会社とはいえ、お金儲けのことだけを考えるのではダメで、地域にも貢献しなければと思ってます。農地の持ち主の高齢化で、雑草が生えて荒れてしまったようなところを預かって、農地は農地として守り、自然環境にやさしく災害に強い地域を作ることも大事にしています。

ボラバイターの仕事について教えてください

仕事は従業員の方と一緒にしてもらっています。仕事が早い、遅いの差はもちろんあるけど慣れれば自然と早くなるから、失敗しても、教えてもらいながらこつこつと丁寧に仕事をしてくれればいいと思います。

作った野菜は、スーパーに並んだり、東京のホテルやレストラン、地元の幼稚園から中学校までの7000食分の学校給食で使われたりしています。年に1回は従業員を連れて「レタスはこんな風にできます」というように学校で野菜の話をしたり、逆に田植え体験やトウモロコシの収穫体験、稲刈り体験などで幼稚園児が来ることもあります。ボラバイターも一緒にやってもらっています。

ボラバイターとの思い出はなにかありますか

平成15年からボラバイターも含めて300人ほどの出入りがありました。宿舎にカラオケを入れて、海外からの人は言葉を覚えながら、みんなでわいわい楽しんでいるようです。これまで、目標を見失って大学を休学して来た人が、太陽の下で汗かいて働いて元気になったことも、運転がもともと下手だった人が、作業を続ける中で上手くなって自信につながったこともありました。若い人にはお昼は寝て、夜から活動するのではなくて、朝ご飯をしっかり食べて、仕事で汗を流す生活をしてほしいなと思います。
ボラバイトを体験した後に、農業の職に就かなくても、買い物をするときに思い出してくれたら、それだけでいいかなと思っています。新鮮なものを食べたら好き嫌いもなくなるし、そういう風に農業のファンを増やしたいですね。

これからの目標を教えてください

一つは、若い子が家族をもって、家を建ててと独立が出来る、ちゃんと生活が出来る給料をしっかりと払える会社であり続けるということ。もう一つは、子どもになりたい職業はなんですか?と聞いた時に「農家になりたい!」と言われるようにしていきたいです。

【ボラバイターさんへのメッセージ動画です】

本記事は、3/25、26に東京新宿中央公園にて開催された「TOKYO outside Festival」のボラバイトマルシェ会場にて伺ったお話を元に作成しました。

取材日:2017/3/25
記事:AKKY
写真:大越 香絵