農園-ogui【長野県・飯綱町、果樹】

農園-oguiさんについて教えてください

今の仕事は7年前から始めました。今はりんご、ぶどう、梨、桃を栽培していて、りんごが全体の6-7割を占めています。父は高知県でみかん農家をしています。仲が悪いというわけではないんですが、初めから実家に帰って一緒にやることは考えていなくて、父はみかん、自分はりんごをやって、ゆくゆくはタッグを組めればいいかなという思いで始めました。最初の1年は福島の果樹研究所で勉強をして、震災をきっかけに長野へ移りました。
自分たちのいいところは、もともと持っている長野の畑がないから、良い畑だけを借りられることです。良い畑の条件はまず南向きかどうか。あとは樹の状態を見て判断します。また標高が違うと朝晩の寒暖差や、雪の降り方が変わってくるので重要ですね。

お仕事でのこだわりにはなんですか?

とにかく珍しくて美味しいものを常に探していて、これはいい!と思ったものを作るようにしています。桃はさくら白桃といって9月の下旬に収穫する、桃の中では遅いものを作っています。山形の農家さんの所で食べてみて美味しかったので作り始めました。別の場所で作っているものを長野で実践してみると、標高が高くて寒暖差もあるので、特徴の違いが生まれて、面白いと思っています。

作っている果物について教えてください

季節的には、梨、ぶどう、桃、りんごの順で収穫していきます。りんごは3種類作っています。一つはシナノスイートで、10月半ばに出るりんごの中では蜜は入らないですが美味しい品種です。もう一つは、ぐんま明月という皮の黄色い群馬の品種です。群馬で収穫する時期よりも少し遅らせて、フジと同じ時期に採ると蜜が入って美味しいということが分かって、最近はこれに力を入れています。あとはサンフジです。いい畑でも後継者がいない農家さんが多いので樹ごと畑をレンタルして作っています。
りんごの樹の寿命は戦前、戦後に植えたものなら70年くらいの樹もありますが、今いる畑のりんごは30~40年くらいです。梨の樹の寿命は100年、桃は長くて20年くらいですね。りんごは15年くらいすると、1本の樹から400個ほど収穫出来るようになります。

りんごは蜜が入ると貯蔵性が落ちますよね?

そうですね。青森では蜜が入る前に採って貯蔵して、春~夏ごろまで順番に出荷していく所も多くありますが、自分の所は蜜が最大で入った時に(だいたい11/20頃から)収穫して、年内までにすべてお客様に発送します。一番美味しい時にわっと採ってわっと出す。だけどそれは簡単に出来るわけじゃないから、人の手が必要です。雪が降るとダメになるし、マイナス8℃になるとりんごが凍って食感が落ちてしまいます。木についたまま、カチカチになるんです。そういったことがないように、天気予報とにらめっこしながら作業のスケジュールを立てていきます。

ボラバイターさんの仕事について教えてください

作業は、味の良い果物を作るための摘果作業や、りんごにまんべんなく日光を当てるための玉回し、収穫などをお願いしています。
でも年に何人か、これをやるために生まれてきたんじゃないか、というくらい「神がかっている」人が来ると選果をお願いしたりします。

自然が好きで、体を動かすのが好きだと楽しめると思います。手先はそんなに器用じゃなくても大丈夫です。働いている人は僕含めて3人で、教えることはたった一つ、「脚立から落ちるな」ということだけです。あとは自分の畑が三角形だったり正方形だったりして、他人の畑の樹の境が分かりづらいので始めるときに必ず説明するようにしています。ボラバイター宿舎はりんご畑のすぐ近くです。昔ながらの農家の家なので、部屋数が多くて皆でにぎやかにやってくれていますね。2014年から約80人の方に来て頂いて、ボラバイトを受け入れていなければ絶対に出会えなかった人たちだと思いますし、帰ってからお客さんとして買ってくれることもあります。

今一番楽しいことってなにかありますか

最近バレーボールの社会人サークルに入ったので、いかに点を取って活躍するかを常に考えてます。18歳から30歳まで60人くらいいて、男女混合で毎週日曜日にやっています。農作業は効率を求めて作業してしまうので、なにかスポーツしたいなと思って選びました。経験者ではないので苦戦していますが、ボラバイターさんも元気が残っていて希望があれば参加できるので連れて行って一緒に楽しんでいます。

これからの目標を教えてください

飽くなき品質向上!ということにつきます。いつも去年がライバルだと思っていて、最低限去年のレベルのものを作れるように頑張っています。今年は特に、8月が日照不足だったので、ぎりぎりまで美味しくなるのを待って収穫する予定です。

   

【ボラバイターさんへのメッセージ動画です】

 

取材日:2017/10/24
記事:AKKY
写真:大越 香絵