みかん園-goto【静岡県・浜松市、みかん】

ご自身とみかん園-gotoさんについて教えてください

ボラバイターくらいの年齢の頃は、青年団の文化部長をやっていて、月に一回、社交ダンス、夕涼みハイクなどのイベントを企画していました。当時は青年団全盛の時期で、地域の出会いの場でしたね。

みかんづくりは自分が4代目で、周りも皆みかん農家です。昔とは気候変動の影響で作り方や出荷時期も変わってきています。今までなかったような病害虫などが出てきてしまったり、急に寒くなってみかんの実に雪が積もってしまったり、試行錯誤の最中です。せっかく産地を代々受け継いできているから、これをなんとか乗り越えないと、と思っています。

お仕事をする上でのこだわりはなにかありますか

「働く」という漢字を見れば分かるように、動くだけでなくて頭を使って、早く、楽しく、楽に、
工夫しながらやることが働くということだと思っています。なので仕事は段取り良く、効率よく、楽しみながらやることを信念としています。
作業の中でも、なるべく機械化できるところは機械化してきました。機械をそろえるお金はもちろんかかるんですが、剪定や収穫などの、どうしても機械化できないところに余力を残して、早く、楽しく仕事ができるようにしています。

一年苦労して、試行錯誤して、汗かいて作ったものを食べてもらって、美味しいと言われることが一番嬉しいです。デパートや八百屋さんで販売促進のために試食をしてもらったりして、そんな時に聞くとやりがいになりますね。

ボラバイターの仕事について教えてください

毎年11月、12月のみかん切り(みかんの収穫)の作業をお願いしています。視力と身軽さがあるという意味で、若い人の力が必要です。視力が弱いと皮が傷だらけになってしまいますし、三脚に上ってみかんを収穫するには身軽さも必要です。仕事自体は単純作業ですが、丁寧にやらないと売れなくなってしまいます。まじめに、こつこつ仕事が出来る人と一緒に働きたいですね。

みかん狩りとは違う、「みかん切り」のコツはどういったところでしょうか

みかんと木をつないでいる部分を「ホズ」といって、これを長く残してしまうと他のみかんを傷つけてしまうし、出荷しても「ホズ長」ということで減点になってしまいます。逆に短く切ろうとして皮にハサミ傷がつくと、そこから腐ってしまって商品価値がなくなってしまいます。特に青島という品種は軸が太いので、えいっと切ったときに皮を傷つけやすいです。しっかりと収穫するコツは、一回目に長めに切って、二回目に手元で短く切る、二度切りをすることが大事です。

周りの地域について教えてください

三ケ日町は日照時間も長く、人も温かいです。水と緑と太陽の町、三ケ日です。大河ドラマの「井伊直虎」の舞台もすぐ近くです。

ここ何年か、みかんの値段がすごく安定していて、Uターンで戻ってきた人が増えました。産地を守っていくためには、高齢化で作業が出来なくなった人の農園や、子どもが会社勤めをしていて人手が必要な農園なんかを協力して維持していかなければいけません。それでも地元の人だけでは、あと10年もすれば足りなくなってしまうから、外からも若い人に来てほしいですね。
新規就農の給付金を活用しながらカップルで移住して農園を持ってくれても嬉しいし、独身でイケメンの農家さんも多いから(笑)地元の人と結婚してくれても嬉しいですね。

これからの目標を教えてください

三ケ日みかんを先輩たちから受け継いできたので、ただそれに乗っかるだけではなくて、もっといい形にして後輩たちに引き継いでいきたいと考えています。また、もうすぐみんなが視察に来るような選果場の建設も始まるということもあるので、もっと産地としても盛り上げていきたいです。三ケ日みかんが、松坂牛とか夕張メロンみたいに、誰もが知ってるものにすることが目標です。

仕事は息子がしっかりしてきて今はもうほとんど任せていますが、もう少ししたら、ハワイでも行ってのんびりしたいですね。

【ボラバイターさんへのメッセージ動画です】

 

本記事は、3/25、26に東京新宿中央公園にて開催された「TOKYO outside Festival」のボラバイトマルシェ会場にて伺ったお話を元に作成しました。

取材日:2017/3/25
記事:AKKY
写真:大越 香絵