農園-iwa【群馬県、北軽井沢、野菜】

10代、20代のころはなにをしていましたか?

高校を卒業してから多摩の農業者大学校に通っていたんですが、「明日からインド行ってくるわー」なんて、面白い自由人がいっぱいいたんですね。自分は田舎から出てきて、知らない事も多かったから、このままじゃいけない!と思って、インドやアフリカに旅をしていました。その時に知り合った人がうちで働いてくれたり、またその人からの紹介でボラバイトに来た人もいて、一時期インド帰りの人が5人くらい一緒に働いていた時もありました。

また、ボラバイターを募集し始めた最初の年に、サンカネットワークと電話で話していたら「冬に時間があるならボラバイトどう?」という話になって、鹿児島県沖永良部の菊農家さんに1ヶ月半行きました。

その時は、女の子のボラバイターが8人いて、男は自分1人だけだったんですね。前に来ていた男の人が働かなかったらしく、「男は使えない」と言われたことにカチンときて、誰よりも仕事をした思い出があります。1日3食を自分たちで作らないといけなかったりして大変でしたが、大変だったからこそ団結して仲良くなって、今でも交流のある人もいます。

15年ほどボラバイターを受け入れて、なにか思い出はありますか

ボラバイターの結婚式には3、4件出たし、10年以上やりとりが続いている人もいます。他の求人サイトで募集していたこともありましたが、やっぱりどこか違う気がしていて。付き合いが濃いのがボラバイトの良いところだなと思っています。

20代、30代の同年代が集まって、一緒に仕事してご飯食べて、というようなことってなかなかないと思います。自分も沖永良部で良くしてもらってきたから、単に労働力というだけの関係ではなくて、来てくれたボラバイターには返していきたいなと思っています。

ボラバイターの仕事について教えてください

野菜の種まきから栽培、収穫、片付けまでを皆と一緒にやってもらっています。2年続けてきてくれると、2年目はトラクターの運転をお願いしたり、3年、4年と変化していく部分はあります。

特に7月から8月が一番人手が必要な時期になります。できれば6月から来て体を慣らして、9月頃に楽になってきたなと感じられれば、そこで野菜作りの一通りの作業を体験できるのかなと思います。

ボラバイターを受け入れる上で大事にしていることはありますか

仕事だけでなく、生活も共にすることになるので、カッコつけられないし、なんでも見えてしまうので、人によってはきついと感じるかもしれません。そんな中で、ご飯は体調の変化を感じやすいところなので、3食一緒に食べるということを大事にしています。一食抜いたら黄色信号、二食抜いたら赤信号。きついきついと言っていても、ご飯を食べていれば大丈夫だなという風に。作ってくれるのは妻か母ですが、妻もみんなでご飯を食べることを大事にしたいと言ってくれているので、人数が多くなると大変ですが、続けていこうかなと思っています。

仕事の息抜きに「子供」と書いていただきましたが

3人の子供がまだ小さくて毎日賑やかなんですが、癒されますし、子供がいるから頑張れますね。あとは、親が仕事をする姿を子供たちに見せられる環境なのはいいなと思います。上手くいってる時もそうじゃない時も見えてしまうので、嘘はつけないですが…。

今日のイベントで周りを見てきて、山登りとかアウトドアなことも好きだったけど、結婚して子供ができてからは行っていないので、テント買って家族で行くのもありかなーと思っています。どう子供たちに外遊びをさせるか考えてるんだけど…トランポリンとかね、見ていると買いたくなっちゃいますよね。

今後の目標を教えてください

父と母がやってきたような今までの形を継続できるとは思えないので、パートさんやボラバイターさんや自分たち家族も含めて、新しい形にしていきたいなと考えています。例えば新しい作物に挑戦してみたり、重労働な部分を削ったり。妻は加工に興味があって、白菜でキムチを作って販売したいという話も出ています。次の自分たちがどうしていこうか、今ちょうど試行錯誤の時期です。

【ボラバイターさんへのメッセージ動画です】

本記事は、3/25、26に東京新宿中央公園にて開催された「TOKYO outside Festival」のボラバイトマルシェ会場にて伺ったお話を元に作成しました。

 

取材日:2017/3/25
記事:AKKY
写真:大越 香絵