ご自身と椎茸&お茶-kwoiさんについて教えてください
僕は今20歳で、大学を中退して実家の椎茸&お茶-kwoiで働き始めてから約2年経ちました。以前にも手伝い程度では一緒に働くこともありましたが、どういう流れでお茶が出来ていくとか、どういうものを売っているのかということを全然知らなかったので、知らなきゃと思って働き始めました。
椎茸&お茶-kwoiでは、しいたけとお茶を主に生産しています。しいたけは通年生産していて、お茶は4月から7月が「一番茶」といって一年で一番美味しいお茶が採れる時期なので、この時期はお茶にかける時間が多くなっています。
お仕事について教えてください
しいたけは菌床栽培をしています。原木栽培とは違い、安定的に量産し値段を抑えられて、早いと2-3週間で収穫が出来たりします。原木栽培のほうが、高級感がありますが、イノシシに食べられて全滅したという話も聞くので…味の違いは僕はちょっとまだ分からないですが(笑
お茶は、車も入れないような急斜面の茶畑だと手摘みになりますが、自分のところのお茶畑が平坦なところが多いので、機械で一気に刈り取っています。機械化のおかげで、刈り取るスピードが上がって、茶畑と茶工場(ちゃこうば)を往復する回数が増えました。
ボラバイターさんには刈り取ったお茶を茶工場まで運搬してもらう作業や、茶工場で茶畑から届いた茶袋に入ったお茶を機械に流し込んでいく作業をお願いしています。これは力仕事かなと思いますが、その先はほとんど機械によって、蒸したり、揉んだり、冷ましたりといった工程になります。
地域のお茶農家さん事情はどうですか?
自分の周りでは、若い人がいなくて人手不足だなと感じます。会社の平均年齢は40-50歳…といったところで、自分は確実に最年少ですね!
あとは腰を痛めたり、運転が不安だからといって辞めて行ってしまう人も多いです。放置茶園も増えてきている中で、父はそういったところを買い取って毎年規模拡大をしているので、おかげで人も足りないという感じです。
日本茶自体は海外でも人気!なんて話も聞きますが
海外でも好んでくれる人がいるというのは嬉しいなと思います。でも自分が実家を離れているときに感じたことは、お茶の名産地静岡でも、急須を持っていない人が多いということでした。自分自身、起きたら急須にお茶葉を入れて、お湯を入れて、一杯目は神棚に…という感じで、一日がお茶で始まってお茶で終わるので、他の家庭や地域でも、急須で入れたお茶を楽しんでほしいなと思います。
やっぱり自分の周りで売れないものを、海外で売ろうとしても売れないと思うので、まずは自分の周りや日本国内で売り上げを伸ばしたいです。
ボラバイターさんに期待していることはありますか?
横浜から働きに来てくれて、移住した人もいます。田舎でずっと暮らしていると固定概念が出来上がるけど、よそから来た人に刺激をもらうことは多いですね。こういう体験をしたからこういうのはどう?なんて意見を言ってくれることもあって、いろんな仕事を経験してきた人の話は面白いと思いますし、地元に住んでもらって、一緒に盛り上げていけたらいいなと思います。地域は人のつながりが強くて、顔が見える関係なのがいいところだと思います。野菜も貰いものだけで買わなくていいことも多いですね。
今後の目標、やりたいことを教えてください。
お茶は、このまま同じことを続けていても、ぐんと良くなることはないと思うので、なにか刺激が必要だなと思っています。具体的な案はなかなか出てこないですが、日本国内での売り上げを伸ばすためにも、今日のような都内や人の多い場所でのイベントに参加することで、今までお茶を飲まなかった人にも知ってもらえると思うので、こういった機会を増やしていきたいなと思っています。
また地域に若い人が増えたら、お茶以外の特産品を作りたいなと思っています。若い人が来てくれたら、チャンスも増えて活気づくと思うので、ぜひ来てください!
本記事は、3/25、26に東京新宿中央公園にて開催された「TOKYO outside Festival」のボラバイトマルシェ会場にて伺ったお話を元に作成しました。 |
取材日:2017/3/26
記事:AKKY
写真:大越 香絵